
婚約指輪といえば、「0.2〜0.3カラットくらいのラウンドカット」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
実は、この"定番"には歴史的な背景があります。
1970年代、日本はダイヤモンド市場として大きな可能性を秘めた国でした。そこで展開された広告キャンペーンや市場戦略によって、「婚約指輪=ダイヤモンド」「0.2〜0.3ctのラウンドカット」というイメージが広まり、日本独自の文化として定着していったと言われています。
一方で現在は、オーバル・ペア・エメラルド・マーキスなど様々なシェイプや、天然・ラボグロウンダイヤモンドなど選択肢が大きく広がりました。
この記事では、日本で0.2〜0.3ctのラウンドカットが定番になった理由と、その背景にある歴史、そして現在の婚約指輪選びについてわかりやすく解説します。
1970年代に日本へダイヤモンド婚約指輪を普及させるマーケティングが行われ、多くの人が購入しやすい価格帯だった0.2〜0.3ctのラウンドカットが定番として広まりました。
「給料3か月分」は、デビアスが展開した有名な広告キャンペーンのキャッチコピーとして広く知られています。このキャンペーンは、日本でダイヤモンド婚約指輪の文化が定着する大きなきっかけの一つになったと言われています。
現在ではお二人の価値観に合った婚約指輪の予算を選択される方が多くなっています。
いいえ。アメリカなどでは1カラット前後、あるいはそれ以上の婚約指輪も珍しくありません。また、オーバル・エメラルド・ペア・クッションなど、様々なシェイプが人気です。
もちろん現在でも人気がありますが、最近ではライフスタイルや価値観に合わせて、カラットやシェイプ、天然・ラボグロウンダイヤモンドなどを自由に選ぶ方が増えています。

ジュエリー研究家 諏訪恭一氏 の解説によると、1970年代頃、欧米では比較的小さなダイヤモンド(1カラット未満)の供給量が増加していました。
一方、日本ではまだダイヤモンドの婚約指輪は一般的ではありませんでした。
そこで世界最大級のダイヤモンド販売会社であるデビアスは、日本市場に着目します。
当時、日本は高度経済成長期。
所得が増え、結婚件数も多く、ブライダル市場が拡大していました。
その日本市場に向けて、
「婚約指輪にはダイヤモンドを贈る」
という新しい文化を広めるキャンペーンが始まりました。
年代 | 出来事 |
|---|---|
1970年代 | デビアスが日本市場へ本格参入 |
1970〜80年代 | 「婚約指輪=ダイヤモンド」が浸透 |
1980年代 | 「婚約指輪は給料3か月分」の広告キャンペーン |
1990年代以降 | 0.2〜0.3ctラウンドが定番として定着 |
多くの方が一度は耳にしたことがある、
「婚約指輪は給料3か月分」
という言葉。
これは長年、日本で常識のように語られてきました。
この広告キャンペーンは、日本でダイヤモンド婚約指輪を広めるマーケティングの一環として大きな役割を果たしたと言われています。
こうした広告によって、
「婚約指輪にはダイヤモンドを贈るもの」
という文化が急速に広まりました。

理由はいくつかあります。
1カラット以上のダイヤモンドは当時も非常に高価でした。
一方で0.2〜0.3ctは、
ダイヤモンドらしい存在感
多くの人が購入できる価格
この2つのバランスが取れていました。
1919年に確立されたラウンドブリリアントカットは、光を効率よく反射するよう設計されたカットとして世界中で広く普及しました。
そのため、婚約指輪のセンターダイヤモンドとして自然と定番になっていきました。
現在では、
オーバル
ペア
エメラルド
クッション
ラディアント
マーキス
など多彩なシェイプがあります。
しかし当時は現在ほど流通しておらず、ラウンドソリティアが最も一般的な選択肢でした。

現在、アメリカやヨーロッパでは1カラット以上の婚約指輪も珍しくありません。
また近年では、
オーバル
エメラルド
ペア
クッション
マーキス
などのファンシーシェイプも高い人気があります。
さらにラボグロウンダイヤモンドの普及により、以前は価格面で難しかった
大きなダイヤモンド
希少なシェイプ
も現実的な選択肢となっています。
婚約指輪を選ぶ基準そのものが変化しています。
以前は、「みんなと同じ」ことが安心感につながる時代でした。
一方、現在は、
自分たちらしいデザイン
普段使いしやすさ
エシカルな選択
ダイヤモンドの大きさ
シェイプ
予算
など、それぞれの価値観に合わせて自由に選ぶ方が増えています。
以前 | 現在 |
|---|---|
0.2〜0.3ct中心 | 0.3〜3ct以上まで幅広い |
ラウンド中心 | 10種類以上のシェイプ |
天然ダイヤ中心 | 天然・ラボグロウンから選べる |
定番デザイン | セミオーダー・フルオーダーも一般的 |
実際にDIALLUREには、
「海外ではたくさん見たオーバルリングが、日本ではなかなか見つからなかった。」
「もっと大きなダイヤモンドを比較したかった。」
「天然とラボグロウンダイヤモンドを両方見比べて選びたかった。」
という理由でご来店くださる方が少なくありません。
私たちが大切にしているのは、
「どちらが正しいか」ではなく、一人ひとりの価値観に合った選択肢をご提案すること。
婚約指輪は、一生に一度の大切な買い物です。
だからこそ、選択肢があること自体に価値があると考えています。

日本で0.2〜0.3ctのラウンドカットが婚約指輪の定番になった背景には、1970年代の市場環境や広告戦略がありました。
つまり、現在の「定番」は、長い歴史の中で育まれてきた文化でもあります。
しかし現在は、
ダイヤモンドの種類
カラット
シェイプ
デザイン
すべてを自由に選べる時代です。
「昔からこうだから」という理由だけで選ぶ必要はありません。
自分たちの価値観やライフスタイルに合った婚約指輪を選ぶことが、これからの新しいスタンダードなのではないでしょうか。
関連記事
参考資料
諏訪 恭一『宝石の常識 International』
諏訪 恭一によるダイヤモンド市場・ブライダル文化に関する解説記事
デビアスによる日本市場での広告キャンペーンに関する公開資料・業界史
※本記事は公開されている文献・資料をもとに構成しています。日本における婚約指輪文化の形成には複数の要因があり、本記事ではその代表的な歴史的背景を紹介しています。
Follow Us:
@diallure_diamond© DIALLURE Inc. All Rights Reserved.
ご来店予約