ダイヤモンドのカット:輝きに影響を与える最も重要な要素

ダイヤモンドのカットは、その美しさや輝きにおいて非常に重要な要素の一つです。良いカットのダイヤモンドは、他の不完全な要素を補うことができるため、全体的な美しさや輝きを向上させることができます。

ダイヤモンドのカット

今日はダイヤモンドの4Cの中でも重要な指標である「カット」について詳しく解説していきます。

1.1 ダイヤモンドのカットの歴史
1.2 ダイヤモンドはどうやってカットする?
2.1 ダイヤモンドのカットグレードについて
2.2 カットグレードの評価による輝きの違い
2.3 ハートアンドキューピッドとは?
3  まとめ

 

 

1.1 ダイヤモンドのカットの歴史

ダイヤモンドのカットの歴史は長いもので、その進化は時代とともに変化してきました。

初期のダイヤモンドは、自然な結晶形状に近い形で使用されていました。カットを施すとキラキラと光る石という程度の認識のものが、徐々に人々を魅了し、より一層美しく輝きを見せるために加工技術が進化していきます。

そして20世紀初頭に、「ブリリアント・カット」が登場しました。このカットは、58面の多面体を持つもので、最も光を反射しダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す効果があります。ダイヤモンドジュエリーに幅広く利用されるラウンドブリリアントカットでお馴染みのカットです。

このブリリアントカットの普及により、カットが輝きや美しさに大きな影響を与えることが認識され、品質を測定する際の基準が確立されるようになりました。現代では、ダイヤモンドのカットには様々なスタイルが存在し、ダイヤモンドの魅力を一層広げています。

 

1.2 ダイヤモンドはどうやってカットする?

ダイヤモンドは世界で最も硬い鉱物として知られています。そのように硬いダイヤモンドはどのようにカットされているか、ご存じでしょうか?

実はダイヤモンドは同じ硬度を持つ、ダイヤモンドでしか削ることができません。そんな硬いダイヤモンドでも結晶の性質上、結合力の比較的弱い面があり、その性質を「劈開(へきかい)」と言います。この特性を活かして、切断・カットを行うのです。具体的にはダイヤモンドを粉末状にしたダイヤモンドパウダーを付着させた研磨機を使用していきます。ダイヤモンドのカットは、その輝きと美しさを最大限に引き出すため、高度な技術と熟練した技術者によって行われています。

 

2.1  ダイヤモンドのカットグレードについて

カットグレードは、ダイヤモンドの外観や美しさに大きく影響します。グレードが高いほど、より美しく輝くため、価格を左右する非常に重要な要素とされています。

 

2.2 カットグレードの評価による輝きの違い

ダイヤモンドのカットの評価は、

  • カットの正確性を評価する「プロポーション」
  • 表面の磨き具合を評価する「ポリッシュ」
  • カットの対称性を評価する「シンメトリー」
    の3つから判定されます。

ダイヤモンドのカット比較

写真のように、同じダイヤモンドでもカットの良し悪しにより輝きに大きく影響することがお分かりになると思います。カットグレードは以下の5段階に分類されます。

  • エクセレント (Excellent)
最高の評価で、非常に優れたカット。光を効果的に反射し、理想的な輝きを持つ。予算が許せばこのグレードを選ぶのがおすすめ。

さらにプロポーション・ポリッシュ・シンメトリーの3つの要素が全てにおいて、「Excellent」の評価である場合、「トリプルエクセレント(3EX)」と呼ばれます。このダイヤモンドはカットにおいて最高級の価値があることを示します。

  • ベリーグッド (Very Good)

比較的高い評価で輝きや反射がグッドより優れているため、小粒のダイヤモンドであれば選択肢の一つとなる。

  • グッド (Good)

良好なカット。ベリーグッドやエクセレントほど輝きは高くないが、コスト面での選択肢として選ばれることもある。

  • フェア (Fair)

一般的に輝きや光の反射が優れていない。あまりおすすめできない。

  • プア (Poor)

 最も低い評価。光の反射や輝きが著しく不足している。通常、このカットグレードは避けたほうがよい。美的価値が低い状態。

 

2.3 ハートアンドキューピッドとは?

このほかに日本独自に尊ばれている指標の一つに「ハートアンドキューピット」というものがあります。

これは下の画像のようにラウンド・ブリリアンカットにおいて、特殊スコープでダイヤモンドを見た時に確認できる、「ハートとキューピットの矢」のシルエットが名前の由来です。

ハートアンドキューピッド

 

ハートアンドキューピットが見えるのはそのダイヤモンドがシンメトリー(対称)である場合に確認できます。ただしこれがグレードの高いダイヤモンドであるとは限りません。

カットの指標としてはやはり、「エクセレント」カットであるかどうかを確認することが必要です。

このようにハードアンドキューピッドは海外ではあまり馴染みが無く重要視されていないため、GIA などの国際鑑定機関では明記されることはありません。

日本では、ハートアンドキューピットのダイヤモンドは「ハートを射止める」として、特に婚約指輪として人気があるため、独自に中央宝石研究所などが評価をしています。

 

3. まとめ

ダイヤモンドのカットは、その美しさと輝きを決定する重要な要素で、優れたカットはダイヤモンドの真価を引き出します。少しでも美しいものを求めるのであれば、カットグレードが高いものを選ぶことをお勧めします。

また、より大きく輝かしいダイヤモンドを手に入れたい方は、ラボグロウンダイヤモンドを選ぶことで、”輝かしさ”も”大きさ”も両方を手に入れることができます。ラボグロウンダイヤモンドもダイヤモンド同様のカットグレードで評価されます。新しい時代の選択肢の一つとしておすすめしております。

  

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