ダイヤモンドのカットグレードは、ダイヤモンド選びにおいて、最もこだわるべきポイントです。それはカットの良し悪しによって、輝きや美しさに大きく影響するためです。良いカットグレードのダイヤモンドを選ぶことで、全体的な美しさが増し、バランスの取れたダイヤモンドに魅せることができます。
1.ダイヤモンドのカットの歴史
ダイヤモンドのカットの歴史は長いもので、その進化は時代とともに変化してきました。
初期のダイヤモンドは、自然な結晶形状に近い形で使用されていました。カットを必要とキラキラと光る石という程度の認識のもの、徐々に人々を魅了し、より一層美しい輝きを見せるために加工技術が進化していきます。
そして20世紀初頭に、「ブリリアント・カット」が登場しました。 このカットは、58面の多面体を持つもので、最も光を反射しダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す効果があります。
このブリリアントカットの普及により、カットが輝きや美しさに大きな影響を与えることが認識され、品質を測定する際の基準が確立されるようになりました。現代では、ダイヤモンドのカットには様々なスタイルが存在し、ダイヤモンドの魅力を一層広げています。
2.ダイヤモンドはどうやってカットするの?
ダイヤモンドは世界で最も硬い鉱物として知られています。そのように硬いダイヤモンドはどのようにカットされますか、考えてよろしいでしょうか?
実はダイヤモンドは同じ硬度を持つ、ダイヤモンドでしか削ることはできません。そんな硬いダイヤモンドでも結晶の性質上、結合力の比較的弱い面があり、その性質を「劈開(へきかい)」と言います。
3.ダイヤモンドのカットグレードについて
カットグレードは、ダイヤモンドの外観や美しさに大きく影響します。グレードが高いほど、より美しく輝くために、価格を考慮する非常に重要な要素とされています。
3.1 カットグレードの評価による輝きの違い
ダイヤモンドのカットの評価は、
- カットの正確性を評価する「プロポーション」
- 表面の磨き具合を評価する「ポリッシュ」
- カットの対称性を評価する「シンメトリー」
この3つから判定されます。
写真のように、同じダイヤモンドでもカットの良し悪しにより輝きに大きく影響することがお分かりになると思います。カットグレードは以下の5段階に分類されます。
- エクセレント (Excellent)
最高の評価で、非常に優れたカット。光を効果的に反射し、理想的な輝きを持つ。予算が許せばこのグレードを選ぶのがおすすめ。
さらにプロポーション・ポリッシュ・シンメトリーの3つの要素が全てにおいて、「Excellent」の評価である場合、「トリプルエクセレント(3EX)」と呼ばれます。
- ベリーグッド (とても良い)
比較的高い評価で輝きや反射が良いより優れているため、小粒のダイヤモンドであれば選択肢の一つになります。
- グッド
な良いカット。ベリーグッドやエクセレントほどの輝きは高くないが、コスト面での選択肢として選ばれることもある。
- フェア
一般的に輝きや光の反射が優れていない。
- プア(貧しい)
最も低い評価。光の反射や輝きが著しく不足している。 通常、このカットグレードは避けたほうがよい。美しい価値が低い状態。
3.2 ハートアンドキューピッドとは?
この他に日本独自に尊ばれている指標の一つに「ハートアンドキューピット」というものがあります。
これは下の画像のようにラウンド・ブリリアンカットにおいて、特殊スコープでダイヤモンドを見て確認できる、「ハートとキューピットの矢」のシルエットが名前の由来です。
ハートアンドキューピットが見えるのはそのダイヤモンドがシンメトリー(対称)である場合に確認できます。
カットの指標としてはやはり、「エクセレント」のグレードであるかどうかを確認することが必要です。
このようにハードアンドキューピッドは海外ではあまり重要視されないため、 GIAなどの国際鑑定機関では信頼されることはありません。
日本では、ハートアンドキューピットのダイヤモンドは「ハートを射止める」として、特に婚約指輪として人気があるため、独自に中央宝石研究所などを評価しています。
4.まとめ
ダイヤモンドのカットは、その美しさと輝きを決定する重要な要素で、優れたカットはダイヤモンドの真価を引き出します。少しでも美しいものを求めるのであれば、カットグレードが高いものを選ぶことをお勧めします。
また、より大きく輝けるダイヤモンドを手に入れたい方は、ラボグロウンダイヤモンドを選ぶことで、「輝かしさ」も「大きさ」も両方手に入れることができます。ラボグロウンダイヤモンドもダイヤモンドと同様のカットグレードで評価されます。新しい時代の選択肢の一つとしておすすめしております。