ダイヤモンドを購入すると鑑定書が付いてくるということは皆さんご存知だと思います。とはいえ、鑑定書に何が記載されているのか、そもそもなぜ鑑定書が必要なのかを改めて考えたことがある方は少数派ではないでしょうか。
今回は、ダイヤモンドジュエリーを購入する際に付いてくる鑑定書について説明するとともに、その必要性及び重要性、無くした場合の対処方法などについて解説します。
1 ダイヤモンドの鑑定書
1.1 鑑定書の記載事項
1.2 ダイヤモンドの鑑定書の必要性
1.3 鑑定書が付いていないダイヤモンド
2 鑑定書の発行機関
2.1 国際的に権威ある鑑定機関
2.2 日本の鑑定機関
3 鑑定書と鑑別書の違い
4 ダイヤモンドの鑑定書を紛失した場合
5 まとめ
1 ダイヤモンドの鑑定書
1.1 鑑定書の記載事項
ダイヤモンドの鑑定書は、専門の宝石鑑定機関によって発行される文書で、そのダイヤモンドの特性や品質を詳細に記載しています。一般的に、鑑定書には以下のような情報が記載されています。
■石の形状(Shape and Cutting Style):石の形状とカットスタイルが記載されています。
■カラット(Carat Weight):ダイヤモンドの重量をカラット(ct)単位で示します。
■カラー (Color Grade):ダイヤモンドのカラーグレードが記載されます。
■クラリティ (Clarity Grade):ダイヤモンド内部の含有物や欠陥の程度を示すクラリティグレードが記載されます。
■カット (Cut Grade):カットの対称性、輝きなどが評価されたカットグレードが記載されます。
なお、上記カラット・カラー・クラリティ・カットの4つの項目がいわゆるダイヤモンドの4Cと言われる品質を評価するための基準です。もっと詳しく4Cについて知りたい方はこちらのページをご覧ください。
1.2 ダイヤモンドの鑑定書の必要性
ダイヤモンドの鑑定書は購入者や所有者にとって重要な文書となります。なぜ鑑定書が必要なのか、以下の4つの項目について解説します。
■品質の保証
鑑定書には、ダイヤモンドの品質に関する詳細な情報が記載されています。これによって、ダイヤモンドの品質が保証されます。
■価値の確認
鑑定書は、ダイヤモンドの正確な特性を示すため、そのダイヤモンドの市場価値を正確に把握し、公正な価格で販売や購入を行うことができます。
■保険目的
高価なダイヤモンドを購入する場合、保険をかけるためには鑑定書が必要となることがあります。鑑定書には、ダイヤモンドの詳細な特性が記載されていますので、それをもとに保険会社が評価を行います。
■販売や転売の際の信頼性
ダイヤモンドを売却する際や転売する際、鑑定書が付属していると信頼性が高まります。購入者は、鑑定書に基づいてダイヤモンドの品質や価値を確認することができ、安心して取引を行うことができます。
1.3 鑑定書が付いていないダイヤモンド
小粒のダイヤモンドやグレードの低いダイヤモンドは鑑定書が付いていない場合があります。これはダイヤモンドの代金より鑑定代金の方が高くなってしまうためです。婚約指輪や記念品など大切なジュエリーを購入する場合は鑑定書つきを選ばれることをお勧めします。
2 鑑定書の発行機関
上記で説明した通り、鑑定書は専門の宝石鑑定機関によって発行されます。これらの機関や専門家は、ダイヤモンドの専門知識や機器を持ち、ダイヤモンドの品質や特性を正確に評価することができます。主なダイヤモンド鑑定機関としては、以下のようなものがあります。
2.1 国際的に権威ある鑑定機関
■GIA(Gemological Institute of America)
GIAは、世界で最も信頼される宝石鑑定機関の一つであり、ダイヤモンドの鑑定書を数多く発行しています。GIAの鑑定書は、国際的に認められており、市場で広く信頼されています。
■IGI(International Gemological Institute)
IGIも世界的に知られた宝石鑑定機関の一つであり、ダイヤモンドの鑑定書を発行しています。現在ではラボグロウンダイヤモンドの鑑定に関して世界のトップシェアを獲得しており、天然ダイヤモンドの鑑定においてもGIAに次いで世界2位のシェアを占めています。
2.2 日本の鑑定機関
中央宝石研究所(CGL Central Gem Laboratory)は日本を代表する宝石鑑別機関です。ただし世界的なマーケットでは評価の対象外ですので注意が必要です。
3 鑑定書と鑑別書の違い
ここまでダイヤモンドの鑑定書について解説しましたが、鑑別書についてもここで触れておきたいと思います。鑑定書と鑑別書は似た名称ですが、目的は全く異なります。
解説した通り鑑定書がダイヤモンドの特性を記載し品質を保証するものであるのに対して、鑑別書は調べた鉱物が宝石であるか、宝石の種類は何かを記載する宝石の保証書です。そのため、ダイヤモンド以外の宝石にも発行されます。
鑑別書に記載されているのは、鉱物名、宝石名(※例 ルビー)と天然か、人工かなどで、グレード評価は行われません。鑑定書と異なりその品質や価値を保証するものではなく、あくまで宝石であることを保証します。
4 ダイヤモンドの鑑定書を紛失した場合
鑑定書は、宝石鑑定機関に個人で依頼することが可能です。
ですが、ジュエリーのままではなく台座からダイヤモンドを外して裸石の状態で提出する必要があります。そのため、ジュエリーリフォーム店などで事前にダイヤモンドを台座から外して置くようにしましょう。また、鑑定代金や鑑定にかかる期間などはそれぞれの宝石鑑定機関で異なりますので事前に確認しておく必要があります。
5 まとめ
今回はダイヤモンドの鑑定書とは何か、その必要性や重要性について解説しました。
鑑定書はダイヤモンドの品質を保証し、価値を確認するために大切な文書ですので大切に保管しましょう。
特に、ダイヤモンドジュエリーを購入する際には、鑑定書が付くのか、どの機関の鑑定書なのかを確認した上で購入する必要があります。
DIALLUREでは、センターストーンには国際的に権威ある宝石鑑定機関のGIAもしくはIGIの鑑定書をお付けしています。